戦力外通知

ここ最近は、火のついた現場の仕事を手伝っていた。
普通に仕事をすると10人程のプロジェクトで200人日程の不足がある。
現場はプログラム経験10年を超えるような人達ばかりだった。
残業と、休日出勤で穴を埋めている。


その中での戦力外通知。忙しいから邪魔だ、というわけだ。
これは、恐らくここ1週間足らずで決められた事だろう。それまではなりに仕事をしていたからだ。


なりに仕事をしていた、というのは最近はサボっていたという事ではない。仕事はするが、火のついた現場の工数を減らす事はあなたではできませんでした、という事だ。


では、本当に自分は仕事が出来ないか?恐らく、そんな事はない。自分で言うのもなんだけれど。
そう言い切れる理由は何か?

それは、初日に渡されたプログラミングの修正の案件。これは一人日の仕事として請負った。が、火のついたプロジェクトの助っ人。出来るだけ早く終らせて何とかしてみようと思った。30分程で終った。
当然、次の仕事を振られる。次は4人日程の仕事。これもただプログラムを組むだけの仕事だった。4時間で終った。


早く終らせる。非常に良い事の様に思える。が、そうではなかった。この案件がこの速度なら、次に渡す物も4人日の仕事だからすぐに終るだろう、そう思われる。これが良くなかった。


少々早くプログラムを組めるといっても、この業界の経験はその現場の諸先輩から見れば素人同然のキャリアだ。その中で、ドキュメントの修正を依頼された。テスト用のデータを考えて挿入しろという案件。これは3人日程度。
これが終らなかった。


プログラムならこういう時に呼ばれて、こういう処理をする。それを実装すればいいだけだ。変にはまらなければ少々の物ならば1日あれば出来るだろう。しかし、この手のテストケースは別だ。この場合はこうなって、この場合はこう。この場合は・・・。正直きりが無い。いや、あるのだけれど、仕様を理解仕切れていないときりが無い様に思う。精神的にも参るし、時間は過ぎて行く。


終了するのに5日かかった。その結果の戦力外通知だ。仕方がない。これを上げるのに散々質問をして、実質上司の時間も含めて8人日ぐらいにはなってしまった。助っ人のはずなのに、非常に申し訳なかった。


スラムダンクの山王の監督は「負けた事があるのは、いつか大きな財産となる」といってたけれど、これは財産になるのだろうか。
そうするのは自分次第だろうな、と思ったりもするが。