評伝シャア・アズナブル

評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 上巻 (KCピ-ス)
今、この本を読んでいる。
[評伝シャア・アズナブル]。皆川ゆかさんの著作で、シャア・アズナブルの伝記だ。


帯に「“宇宙世紀司馬遼太郎”こと皆川ゆかが放つ英雄の一代記」とある。
どこが宇宙世紀司馬遼太郎かというと、司馬遼太郎の「花神」や「竜馬が行く」に見られる、やたらと断定的な自身の意見の書き方だろうか。自分が一番正しい!みたいな。竜馬の部分が変数になってて、そこにシャアを代入した感じだ。
要は、文体が司馬遼太郎


司馬遼太郎は何作か読んだが、嫌いだ。文体がウザイ。それをコピーしているこの作品もウザイのだが、しかし素晴しいと思う。


一体、何が素晴しいのか。
内容はガンダムファンなら知ってる内容だ。そんな事はどうでもいい。
架空の人物の伝記を作ってしまおう!というアイデアが素晴しい。


考えてみれば、坂本竜馬土方歳三も資料の上では存在しているが絶対に会う事は叶わない。資料も本物や偽物もある。本当のところはよく解らない。架空の人物となんら変る事はないのだ。
じゃあ、作り物の人の方が「史実に沿って」とかない分色々面白いんじゃない?というのは飛躍しているが、コロンブスの卵的だ。


正直、内容の流れは大体知っている。キャラの考えている事に関しても自身の説も持っているだけに非常に本書はウザイ。そうじゃないんじゃない?という点がある。
しかしそのウザさを超えるアイデアだと思う。


この本は、内容はともかく持っている事に価値がありそうな気がする。そういう本だ。